1月に行った群馬県の土田酒造、気に入って、お取り寄せしたお酒です。
生酛造りを主体とする土田酒造ですが、このお酒は名前に12とあるように、アルコール度数を12%と、一般的な日本酒の3/4程度に抑えて飲みやすさを追求したお酒です。
このお酒も、ラベルにあるように、精米歩合は90%と洗米程度でほぼ削らずに作っています。米は酒米ではなく飯米(食用のお米)、酵母は協会601号で、これは今や日本酒界でもトップクラスの人気を誇る新政酒造の蔵付き酵母だったものを培養したもので、これが協会6号酵母となっています。(新政No.6はこの6号酵母に由来) 協会601号酵母は、6号酵母の泡無し酵母です。
麹は、焼酎用の黄麹と白麹を使用しています。
アルコール度数を抑えつつも、飲みごたえも重視しているようです。
上立ち香は、生酛らしい酸味を感じます。まず常温で飲んでみましたが、甘みはやや控えめ、酸味は強くはないけど、程々にありますね。そしてアルコール度数12%なので、確かに飲みやすいですが、低アルコールの日本酒にある軽いテイストではなく、しっかりと余韻を残しています。辛さもしっかりと出ていますね。度数は低くても、加水しない原酒のままなので、旨味やコクはしっかり出ています。
別の日に冷酒でいただきました。普通、冷やすと甘みが抑えられるのですが、この酒は逆に甘みが引き立つように。酸味が少し抑えられ、結果的に甘みが引き立ってきたからか? 冷酒が一番オススメみたいですが、確かに冷やしてもしっかりと甘みと旨味が残っています。酸味が少し抑えられた結果、全体のバランスが良くなりました。
この手の、米をあまり削っていない生酛系のお酒、わりかし常温や燗が合うと思っていたけど、冷酒が一番オススメというのも、なかなか面白いですね。
いろいろな作り方にチャレンジしている土田酒造のお酒、楽しいですね。