今から15年前に、ハードオフのジャンクから、わずか100円で手に入れたOLYMPUS PEN EE-3、ハーフ判のカメラです。
ハーフ判とはなにか?
一般的な35mmフィルムを使うカメラですが、1コマのサイズを通常のカメラの半分とすることで、通常の倍のシャッターを切ることが可能です。例えば36枚撮りのフィルムであれば、その倍の72コマの撮影が可能です。
デジタルカメラ普及以前、写真を撮るということは、フィルムを消費するわけですから、今のデジタルのように無尽蔵に撮ることは不可能でした。撮れば撮るほどフィルムを消費しますし、現像代もかかります。
ハーフ判であれば、通常の半分のフィルム面積で撮るので、画質は低下しますが、倍量撮影できます。
レンズからシャッターを経てフィルムへ露光させるための開口部は、通常のカメラと違い、面積を半分とするために縦長になっています。
このため、通常通りカメラを構えると、ファインダも縦長になっています。ちょうど今のスマホで撮るような感覚ですね。もちろんカメラを立てに構えることで、横長に撮ることも可能です。
ハーフ判は、フィルムカメラが庶民にも普及し始めた70年代には盛んに作られ、特にOLYMPUSのPENシリーズは、ハーフ判カメラの代表格でしたが、80年代に入ると、PENシリーズでは1981年のPEN EFを最後に製造されなくなりました。
これはフィルムや現像代の価格低下が背景にあるのでしょう。
PEN EE-3
OLYMPUS PEN EE-3は1973年発売、その後PEN EF登場後も販売され続け、1986年まで販売されていた、販売期間の長いカメラです。
セレン受光素子をレンズ周辺に搭載し、ここで露出を計測します。電池不要で、シャッタースピードは光量に応じて1/30秒または1/250秒に自動設定されます。
レンズはD.Zuiko 28mm F3.5、3群4枚のシンプルな構成で、ハーフ判PENシリーズでも比較的流通量が多く、今でも手に入りやすいカメラです。
シャッター押すだけ、手巻き式で構造もシンプル、とても操作が簡単なカメラです。
15年前はジャンク投げ売り100円だったこのカメラ、今では数千円以上の値が付き、中には1万円超えなんてのもザラのようです。
かくいう私も、手に入れて何回か使いましたが、36枚どりフィルムを入れると、いつまでもフィルムが終わらない病にかかって、なかなか現像に出せない、3ヶ月前にフィルム入れてまだ終わらない…というのが逆に苦痛になってしまい、手放してしまいました。まだフィルムがメインだった時代、デジタルもメモリカード容量がそんなになかった時代、今のように1回の撮影で何百何千枚も撮るなんてのは、あり得なかった時代ですから、72枚撮ることは、そうそうなかったわけで。
写りは、ハーフ判なのでそれなりでしたが、使いやすいのは確かです。
買ってその年(2007年)に手放しましたが、その当時でもオークションで3千円台が付いたと記憶しています。