引きの絵とか、旅客機、大型機撮影用ということで、重いSIGMA 150-600mm Sportsと入れ替えで導入したAF-S 200-500mmですが、早速フィールドでテストしてみました。
SIGMAより700g軽量というだけで、カメラリュックもかなり軽く感じます。Z 9自体も、グリップ付きD850より軽量なのも合わせると、かなり軽快です。もっとも、重量基準が5000g超えのAF-S 600mmだったりするので、一般的に考えると重いですけどね。
場所はいつもの荒川彩湖公園です。
手持ちでも、このくらいの重さなら、十分安定して振り回せますね。このレンズが人気なのも頷けます。AFも十分早いし、VR(手ブレ補正)もかなりよく効きます。そして何より、VRにSportsモードがあるので、ファインダが安定しているのも良いです。
Z 9で連写した場合も、Normalモードでは1コマ目は露光前センタリングが行われますし、単写の場合も同様なので、やはりSportsモードはあるに越したことがないですね。
AF-S 200-500mm + テレコンバーターTC-14EIII
SIGMAのレンズには、Nikonのテレコンは使えないため、SIGMA製のテレコンバーターが別途必要でしたが、AF-S 200-500mmなら、Nikonの純正テレコンが使用可能。
TC-14EIIIを装着すると、開放f値が1段暗くなりますが、焦点距離が280-700mm f/8のレンズとして使用可能です。
一眼レフでも、機種によりf8 AFに対応するため、AFは使用可能ですが、D850では中央の15点のみ対応となります。
Z 9など、Zシリーズのミラーレス一眼では、このような制約がなくなっています。これは、暗いレンズの場合は、コントラストAFを主体としているからでしょうね。像面位相差AFは、一眼レフの位相差AFセンサよりもセンサ面積が小さい分、暗所は苦手なようで、コントラストAFで補っているようです。
Z 9の場合、明るさが十分なれば、開放f8でも、AFの速度や精度はほぼテレコンなしと変わらない感覚で使用可能でした。
画質はわずかに落ちますが、この程度なら十分使えるかな、というレベルです。望遠端700mmもあれば、かなりの望遠ですから、撮影の幅も広がりそうです。D850ではどの程度使えるか、今度試してみたいと思います。
AF-S 200-500mm + テレコンバーターTC-20EIII
2倍テレコンを使うと、2段分暗くなり、400-1000mm f/11相当となります。開放でf11はかなり暗く、一眼レフではそもそもファインダが暗くなりすぎて実用的ではないですし、AFも使用不可となります。
ですが、ミラーレスならそんな制約もなく、プレビューも感度を上げて、テレコンなしと同様の明るさを確保できます。これはミラーレス機のメリットですね。
流石に2倍テレコンともなると、画質低下を感じます。コントラストも今一歩となり、特に解像力はかなり下がります。AF-S 600mm f/4Gでもそれなりに解像力が低下しますが、低価格のズームレンズであるAF-S 200-500mmでは顕著になります。今回は絞り開放でのみの撮影でしたが、実用的な解像力を得るには、1段絞りたいところで、そうするとf16となりますから、晴れた日でないと、厳しい結果になりそうです。
ただ、1000mmまで使えるのは魅力的ですね。
写真を見ると、前ボケが二線ボケで固めな傾向、後ボケは割と柔らかめに出ていて、収差補正を程々にして背景ボケを重視している感じですね。
かなり緩い絵になってしまいました。絞り開放は厳しいですね。それでも、開放f値f11でも、AFも少し迷うことがあるけど、全く合わないということなく、グループエリアAFを併用することで、歩留まりは悪くない感じです。
この日はかなり強風で、レンズを持っている体が持っていかれるくらいだったので、緩いのはブレの影響はあるかもしれません。風がなければもう少しシャープな絵が撮れたかも(という言い訳w)。
それでも、開放でf11という暗い条件でも、AFが使えるしファインダがちゃんと見えるのは快適です。Canonが暗い超望遠レンズを出してきて、超望遠撮影の裾野を広げてきているのも納得です。
Nikonは、まだまだZマウントの望遠レンズのラインナップがほぼ無いので、気軽に使える70-300mmクラスも出してほしいですし、早くロードマップに出ている200-600mmも出してほしいですね。