飛良泉でも「マル飛」はいろいろな酒米や酵母を使って醸しているシリーズですが、今回のは山廃づくりだそうです。
日本酒で時々聞く「山廃」「山廃仕込」とは何か? WikiPediaにはこう書かれています。
山廃仕込み(やまはいしこみ / – じこみ)とは、単に山廃とも称され、生酛系(きもとけい)に属する日本酒の製法の一つ。 「山卸廃止酛(やまおろしはいしもと)」が正式名称で、その酛で醸造した酒のことも一般に「山廃(仕込み)」と呼ばれる。
山廃仕込み
引用の文章だけでは分かりづらいので、詳しくはWikiPedia、またはSAKETIMESの解説が詳しいですが、日本酒の作り方に置いて、明治時代に開発されたもので、非常に手間のかかる工程を経て醸されるだけに、山廃仕込みを用いる酒蔵は現代では減ってしまいました。
山廃仕込みのお酒でよく言われるのは、アミノ酸度が高く、辛口でどっしりしたお酒になる、いわゆる昔ながらの日本酒好きには受けるけど、最近流行のフルーティで軽やかな日本酒とは真逆のもの、とされているところでしょうか。
確かに、一昔前までは、山廃仕込の日本酒のイメージはそんな感じでした。
ところが、今回の飛良泉、ラベルには
山廃造りではありながら、香り高くキレイでなめらかなお酒に仕上げました。
とあるように、昔ながらの山廃のイメージではなさそう。
さて開栓初日ですが、香りはたしかに豊か、ただしもっとキレイに香るお酒もあるので、山廃にしては…と付け加えておきます。メロンの香りはたしかにあります。口に含むと、アタックは弱めで、ほんのり甘いけど、すぐに独特の風味とともに、後味は山廃っぽいどっしりさが出てくる。
うーん、ちょっと落ち着きすぎているかな。日本酒度-1.0と言う割に、辛さのほうが立つな、そんな印象。
ところが開栓2日目、味が激変。まず香りと甘みが増した。びっくりした。同じお酒なのか!? 開栓からわずか1日だけの経過なのに。ボケていた味がしっかり出てきた感じです。
甘みが出てきたことで、その後のどっしりさとのつながりが良くなりました。キレイにつながります。
これはと思って、ぬる燗にしてみました。いい! ぬる燗もいいです。押し付けがましくない甘みが少し濃厚になり、後味の辛さまでよりしっかり出ています。
このお酒は、断言します! 開栓後1日は最低置きましょう。初日のぼやけた感じが嘘のようにしっかり味に変わります。ぜひ!