4本セットで買ってみた日本盛の生原酒シリーズも、これがラスト1本です。
純米大吟醸、シリーズで最も高価、といっても一般的な純米大吟醸としては安価ですけどね。200mlの1合ちょっとの飲みきりサイズ。
窒素ガス充填により、生酒でありながら常温保存可能です。
ところで、以前、通常2回火入れとするところを1回火入れとした場合も生酒とする酒蔵もある、と書いたような気もしますが、日本盛のこの生原酒シリーズについては、しっかりと火入れ工程を行っていないことが、以前720mlで限定販売された際のPR記事に書かれていました。
ちゃんと生酒です。「かつては蔵元など限られた環境でしか…」とありますが、これは冷蔵輸送が一般的ではなかった時代の話で、今は全国のスーパーマーケットでも生酒が買えるようになりました。(もちろん冷蔵販売しているお店に限られますが)
日本盛の場合、常温保存を可能としたところが画期的ということです。
窒素ガス充填とは言え、酵母は生きているわけですが、オリジナル酵母を使っているとのことで、これは協会系ではなく自社製酵母ということなのでしょうか?
スペックとしては、アルコール度数16%以上17%未満、精米歩合50%の大吟醸、日本酒度は-7とこれだけ見ると辛口に感じますが、日本盛のサイトには濃醇&芳醇と書かれています。さて実際はどうかな?
上立ち香は吟醸香、りんご系のやや強めな芳醇な香りです。シリーズで最も高価なだけあり、わかりやすい吟醸香を目指しているのでしょうね。
カプロン酸エチルの数値が一般的な純米大吟醸酒より高いとしています。
冷やした状態でいただきました。お、なんとわかりやすい芳醇な膨らみのある甘みでしょう。日本酒度-7とは思えない甘みを感じます。日本酒度は実際に感じる甘い辛いとリンクはしないのですよね。ただ、大吟醸とは言え、少し雑味感もあります。これは恐らく使用米のコスト的な問題でしょう。甘さの後に適度に辛さもやってきますが、余韻は割と長めです。
量販酒での純米大吟醸のわかりやすい味を目指した感じですね。総じてコスパは高いです。冷やして飲める環境さえあれば、アウトドアで飲めるお酒というコンセプトにピッタリ合致すると思います。
さてアルミボトルの日本盛生原酒シリーズ、4種類飲みましたが、個人的なベストは、最も安価な「本醸造酒」ですね。こちらは辛さと甘さのバランスが良く、コスパは断然高いです。今回飲んだ純米大吟醸酒は、確かに値段を考えると香りも高く、かなり良い(シリーズでは2番手かな)のですが、量販ではない酒蔵の日本酒を普段飲む身としては、ここまでするならもっと他にも良い酒はあるのかな、という気持ちもあります。とは言え、ちゃんと飲めるお酒に仕上がっているので、量販メーカーもあなどれないな、と思った次第です。