初代Z 6 の登場から5年半、そのマイナーチェンジ型のZ 6II 登場から3年半、やっとフルモデルチェンジと言うにふさわしいZ6III が発表されました。
今回から初めて機種名のZのあとに半角スペースがない、Z6IIIとなりました。 なぜ半角スペースが今まであって、今回外したのかがわかりませんが、ハッシュタグにスペースを入れられないとか検索で引っかかりづらいといった弊害を払拭するためなのかな。そんなの最初から気づけよと思いますが、このあたりのポリシーのなさを感じてしまいます。 とにかく、文字のバランスを考えたのか、入っていたスペースがIII型から消えたということで、今後はこの流れになるのでしょうね。
実質マイナーチェンジだったII型から大きな進化をしているのがIII型。この辺りはSONYのメインモデルであるα7がII型からIII型で大幅に進化したのと似ていますね。
部分積層型CMOSセンサ
Z 6II型比で約3.5倍高速読み出し可能な2450万画素部分積層型CMOSセンサを世界で初めて搭載としています。この”部分”積層型というのがミソで、「撮像部の上下に高速処理回路を積層配置した」とあり、詳細はよくわかりませんが、Z 9やZ 8の積層型CMOSセンサより読み出し速度は遅く、シンクロ速度で1/60秒ですが(Z 9は1/200秒)、Z 6IIなどの従来型よりは若干速いよ、ということのようで、メカシャッターは残されています。これが無くなるのは次のモデルでしょうね。
早速電子シャッターの幕速比較をされたつよぽんさんのポストがこちらです。
とてもわかりやすいですね。昨年2023年10月発売のZ f は従来型のセンサであることがわかります。ここだけでも、単なるZ fの焼き直しではないことがわかりますね。一方常用感度はZ fと変わらずISO64000まで(拡張ISO 204800相当)となっています。
ノイズですが、一般に積層型CMOSは熱ノイズの影響でややS/N比が落ちることが指摘されていますが、
初代Z 6との比較では、むしろノイズが軽減されているようなので、この辺りはあまり心配しなくて良さそうです。 それにしても、だいぶ色んな方に先行で機材貸してるんですね。
動画性能は進化、N-RAWも継続
今回、これまでのZ6シリーズのチルト式背面液晶がバリアングルになっていることからも、自撮りを含めて動画撮影にも力を入れていることがわかります。ここはZ fと共通化しているのでしょう。
Z6シリーズ初のバリアングル液晶に
そしてZ 9やZ 8と同様に、N-RAWやProrRes RAWの両RAW動画フォーマットに対応しています。 NikonはシネカメラメーカーのREDを買収 しましたが、これに伴いN-RAWは収束し、RECODED RAWを採用するのではと言われていましたが、今回はN-RAWのままでした。買収とIII型開発時期の関係で採用が難しかったのもあるかもしれませんが、とりあえず現時点ではN-RAWは継続で、ひとまず安心です。 個人的にN-RAWはファイルサイズが比較的軽く、思った以上にマシンスペックを必要としないので、アマチュアが遊ぶにも扱いやすいと思っています。
高輝度高色域576万ドットEVF
Z 9の3000cd/m 2 で色域sRGB相当を超え、Z6IIIは4000cd/m2 で色域DCI-P3相当のEVFとなりました。さらに解像度も上がり576万ドットです。120fps表示にも対応しています。ここは羨ましいですね。ただ、20コマ連写時に60fpsにダウンするのは、部分積層型CMOSセンサだからなのか、解像度が上がったことによる描画処理速度なのでしょうね。
-10EV(f/1.2レンズ)対応のAF
スターライトビューなどの拡張機能を使わず、-10EV(f/1.2レンズ装着時)まで対応するAFが搭載されました。ただ、このf/1.2レンズ装着は曲者ですかね。そしてこのスペックはZ fでも同様なので、ここは2450万画素センサの高感度の余裕が見て取れます。 スターライトビューをONにしてなお-9EVのZ 9やZ 8よりはだいぶ良くはなっていると思います。
被写体認識AFもZ 9やZ 8と同等で、やっとNikonミドルクラスもまともに動体AFが使えるようになりそうですね。
Nikon Imaging Cloud対応
Nikon初の試みですね。最近はCanonなんかもCloudでノイズ軽減出来るNeural network Image Processing Tool というプラグインを有償提供したりと、クラウド活用は増えてきていますが、画像の積極的な加工や他のクラウドサービスへの画像転送も対応するなど、今後どう活用されていくか楽しみですね。
III型が出たことで、Z6IIはお安くなっていますよ。AFが旧世代を感じますが、画質自体は良いので、動体撮らなければ十分ですね。
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