実を言うと、RICOHのGRシリーズはかつて一度も手に入れたことはありません。

昔からRICOHはコンパクトカメラを多く出しているメーカーでしたが、ちょうど自分が写真を始めた90年代後半、フィルムのGR1やその改良型GR1sが登場しました。
当時もコンパクトながら高性能なレンズを搭載し、評判が高かったのですが、GRシリーズをこれまで買わなかった理由はただ1点、28mm単焦点レンズだということ。
個人的に35mm好きなので、28mmはやや画角が広すぎるんですよね。
とは言えあのシンプルでスマートなポケットサイズのカメラは魅力なのは確かです。いつも欲しいとは思っているんです。
2005年にデジタル化され1/1.7型CCDを搭載したGR DIGITALシリーズを経て、センサがAPS-CサイズになったGRシリーズが発売され、2018年に発売のGR IIIがこれまでの最新機種でした。これをベースとした派生モデルも登場しています。
そして2025年5月22日RICOH GR IVの開発が発表されました。2025年秋発売予定です。

GR IIIは部品調達の都合で7月で製造終了する
2018年から7年間の長きにわたって生産されてきたGR IIIシリーズですが、長く売れ続けているカメラで、2024年3月には生産が追い付かず受注の一時停止、同年8月に一部受注再開となりましたが、以降も慢性的に在庫不足が続いて抽選販売も実施されていましたが、2025年7月に部品調達の都合で製造終了するとのアナウンスがありました。
ただし、焦点距離40mm相当のレンズを搭載するGR IIIxは当面の間、製造・販売を継続とのことです。
さて部品調達の都合とは何か?
1つはイメージセンサではないかと思われます。
というのも、今回GR IVでは2600万画素のセンサを採用しています。GR IIIやその他Canonを除く2400万画素クラスのAPS-Cセンサを搭載するカメラは、センサがSONY製と言われていますが、既にソニーセミコンダクタのラインアップにAPS-Cの2400万画素の掲載はなく、2600万画素センサになっています。
このAPS-C 2600万画素センサは現行のカメラではSONYとFujifilmで採用されています。

この部品調達の都合とは、APS-C 2400万画素のイメージセンサが含まれているのではないかと思われます。もちろんあくまでも推測ですけどね。
生産数の少ないGR IIIx用と補修部品用として2400万画素イメージセンサの在庫を残して、GR IIIは販売終了してGR IVに移行するのかもしれません。
レンズの調達都合という可能性も0ではないですが(GR IVではレンズの光学設計が変更となる)。
既にAPS-Cの2400万画素センサを搭載するカメラはラインアップが少なくなっており、SONYだと2019年発売の古いα6400と2023年発売のVLOGCAM ZV-E10のみ、そしてRICOHグループとなったPENTAXは2022年発売のKFに搭載されています。
Nikonに至っては、APS-Cセンサ搭載カメラの現行品は、一眼レフもミラーレスも2088万画素センサで、逆に2400万画素搭載のカメラは販売終了しています。
2016年発売のD500からの古い2088万画素のほうが長く使われ、最新のZ50IIにも採用されているのが面白いです。よほどセンサの素性が良かったんでしょうね。
そしてFujifilmも現行ラインアップに2400万画素センサはありません。
PanasonicはAPS-Cのラインアップはなく、Canonは自社製造センサです。
PENTAXの一眼レフ、どうなる?

SONYの2機種は既に2600万画素センサ搭載の後継機種が発売されていますが、PENTAX KFは…どうなるんでしょうね?
PENTAXのデジタル一眼レフはラインナップがすでに3機種しかなく、次期モデルの噂も聞こえてこない状況です。

同じSONY製の2400万画素センサと思われるGR IIIが後継機種を発表する中、PENTAX KFは後継機種の話が今のところないんですよね。2022年発売でまだ古いわけではないともありますが。
RICOHグループとしては、2400万画素センサの在庫は恐らくGR IIIxとPENTAX KF用にある程度確保はしているでしょうけど、今KFってどれだけ製造されているのでしょう?
製造が追いつかないGR IIIと比較して、KFの製造は…果たしてどの程度行われているのでしょうね?
そしてこのままKFが生産完了すると、PENTAXのラインアップは設計の古いフルサイズの3600万画素センサを搭載するK-1II、APS-Cの2600万画素だけどニッチなモノクロセンサを搭載するK-3 Mark III Monochromeしかなくなってしまいます。
一眼レフを継続すると宣言したPENTAXですが、このままだとPENTAXのレンズ交換式カメラが消滅してしまいそうです。
PENTAXブランドでは防水コンデジのWGシリーズ、フィルムハーフ判のPENTAX 17がありますが、フィルムカメラの次が果たしてあるのか、その前にやるべきことがあるんじゃないの?一眼レフとかさぁ、と思ってしまいますし、いやもしかしたらAPS-C一眼レフを開発中なのかもしれません。
最後に残る一眼レフカメラがPENTAXと思っていただけに、ちょっとPENTAXの動向が心配ですね。
CanonもNikonも一眼レフは残り3機種で、2社とももう新規開発はないでしょうから。そうなるとやっぱり一眼レフはロストテクノロジーになっていくんでしょうね…


最後までの残る一眼レフはどれかな? 私も使っているD850ももう8年近く販売中です。