3年半待ったよ…やっと発表 NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR

Nikonの飛行機撮り、野鳥撮りユーザーが待ちに待ったレンズではないでしょうか?

NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR

ここ2年でやっと望遠レンズが充実し始めたNikonのZマウントですが、600mmクラスのレンズが高価なNIKKOR Z 600mm f/4 TC VR Sしかなく、ライバルのSONYはFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSを、4年も前の2019年7月に発売しています。

SONY FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS

思えばSONYのαが、割と保守的で今でも一眼レフユーザーが多い飛行機撮り界隈も見かけるようになったのは、このレンズが登場したからというのが大きい気がします。
手に入る価格で600mmまでのズーム、それまでは一眼レフ用でサードメーカーのSIGMAやTamronの独壇場でしたが、純正レンズで600mmまでのズームを早くから登場させたSONYは先見の明がありますね。

2019年にはレンズロードマップに掲載されていた

2019年10月、NikonはミラーレスのZマウントレンズのロードマップを公開しましたが、その際に既に、今回発表のZ 180-600mmのベースとなっていた200-600mmの記載がありました。

2019年10月に発表されたNikon Zマウントレンズのロードマップ

今見ると懐かしいですね、この当時はまだZ 50mm f/1.2 SやMicro(現製品ではなぜかMCと呼称)大三元の広角と望遠、高倍率ズームのZ 24-200mmも未発売、まだまだレンズが足りない、Zマウントを導入する気にはまだなれない、そんな感じでした。

この2019年のロードマップで、今後発売を予定しているレンズは黄色のラインで描かれていますが、この中で200-600mm以外は、一部焦点距離の変更がありつつも、全て現在販売されています。その間にTanmronとのOEMの提携もあったのでしょう、ロードマップに書かれていない、Tamronの設計と思われるレンズも発売されています。
今回、Z 180-600mmと同時に発表されたNIKKOR Z 70-180mm f/2.8も、光学断面図はTamron 70-180mm F/2.8 Di III VXDと同一とみられることから、TamronのOEMと思われます(光学設計のみTamronから買ったのか、製造まで委託しているのか、どの程度Tamronが関与しているのかは不明)。

とにかく、ロードマップ掲載から3年半、本当に待たされましたが、Z 9やZ 8のような動態がやっとまともに撮れるようになったNikon Zにふさわしい望遠レンズがやっと出ますね。あとはミドルのZ 7/ Z 6シリーズも動態に強いAFを搭載して発売されれば。最もこれらの機種は2024年に出るのではとされていますが。

重量・サイズもライバルと並ぶ

FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSとほぼ同じ重量・サイズを実現したNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR。ライバルが4年前に発売していたのを考えると、大きな驚きはないですが、SONYがダイレクトドライブSSM(超音波モータ)採用に対し、Nikonは多くのZマウントレンズに採用するSTM(ステッピングモータ)です。
個人的に、モータの方式だけでフォーカス速度を語るべからずと思っていますが(光学・メカ設計やボディの性能にも依存するため)、巷の噂では、Z 100-400mmよりも速いとの話もあり、この点についてはあまり心配はしていません。

またペナペナフードか…

懸念点はレンズフードです。この手の望遠レンズは、レンズとボディを装着したまま、フードを地面側に立てて置くことが多く、より重量級の望遠レンズは、レンズフードの縁にゴムが取り付けられています。
ところが付属のレンズフード、HB-109は、ゴムの取り付けはなく、明らかに薄そうです。ペナペナしそうな感じで、ここはAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRのレンズフードHB-71とあまり変わらなそうで残念です。

見るからにペナペナそうなHB-109

対してSONYのフードALC-SH157はしっかりしていそうです。

SONYの200-600mm用ALC-SH157のほうがしっかりしていそう

これについてはNikonに要望を出すとします。あるいはサードでもっとしっかりしたフードを作ってくれないかな? SIGMAだってもっと頑丈なフードを採用しています。


ともあれ、このレンズは手持ちのAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRと入れ替えですね。やっとです、待ちに待ったレンズです。
これでNikonの望遠界隈ももう少し賑わえば…と思います。