北海道T市市営アパート
北海道T市には、大学時代、諸事情により1年だけ住んでいた街です。自宅の近所にその市営アパートはありました。住宅地の奥まったところに立っていたそのアパートは、見るからに古そうで、1階は写真には撮りませんでしたが、店舗が入っていたようです。これもつぶれてしまったらしく、シャッターが下りたままでした。
その荒れ具合から、廃墟だとずっと思っていたのですが…
廃墟写真に目覚めた第1弾。
コンクリート剥き出しのアパートは、天気が悪かったのもあいまっていい感じをかもし出しています。AF35mmf2D (f11AE)+0.3
1階の店舗が入っていた部分の裏口のようです。鉄の扉が硬く閉ざされています。AF35mmf2D (f11AE)
通路側はこのように鉄格子で覆われています。なぜこんなに頑丈な鉄格子をはめ込んでいるのか?AF35mmf2D (f8AE)
入り口です。ご覧のとおりドアのガラスは破られています。AF35mmf2D (f8AE)
入り口から上を見上げたらこんな感じ。一番上の写真の反対側ですね。AF35mmf2D (f11AE) +0.3
窓越しに階段部分を見た様子。階段には明かりが燈されていて、完全な廃墟ではない事を物語っている。AF35mmf2D (f4AE) -0.3
中に入ってみました。階段の塗装はボロボロ。空気もひんやりしています。AF35mmf2D (f4AE) -0.3
郵便受けはすっかり朽ち果てています。市はきちんと管理をしているのか?AF35mmf2D (f4AE)
階段を上がった2階の通路。鉄格子のせいで光があまり入らないので薄暗いです。床もひび割れが…AF35mmf2D (f4AE)
鉄格子から外の世界を見るとのどかな住宅地が広がる。こんな頑丈な鉄格子は必要なのか? AF35mmf2D (f8AE)
…これを見て愕然としました。さび付いたドアの横にはしっかり表札が。つまり人が住んでいるのです。AF35mmf2D (f4AE)
「入居停止住宅」 一応市は管理してるようですが、住んでる人には気持ちよくないですね。AF35mmf2D (f2.8AE)
ボロボロの天井に蛍光灯。廃墟と思っていた場所に電気はものすごい違和感。AF35mmf2D (f16AE)
と、ここまで撮影していた時の事…
カツッ、カツッ…
向こうから足音が聞こえてきます。
人が住んでいるとはいえ
もうドキドキもんです。
そして、人が現れました。
どうやら新聞配達のようです。
こっちもビビリましたが
向こうもかなりビビッてたようですね(汗)
3階より上は明かりもなく、周りも薄暗くなり始めたので、そそくさと引き上げる事に。反対側の入り口の郵便受け。、ママチャリが朽ちていました。AF35mmf2D (f5.6AE)
状況をまとめると、どうやら2階部分にまだ2世帯ほど住んでいたようです。また、夜、バイト帰りにチラッと見た限りでは、さらに上の階の部屋の1つに明かりが点いていたので、少なくとも3世帯は住んでるようでした。
しかし、3階以降は廊下に明かりがついていなかったので、夜はさぞかし怖いでしょうね。月明かりも入らないので。
この撮影から半年以上が過ぎ、T市を離れる事が決まって、再び訪れると、入り口や窓にはベニア板が張られ、完全な廃墟になっていました。しばらく見ない間に住人は越してしまったのでしょう。もう中を見ることもできないし、入る勇気もないし。
T市には他にもこのような感じの古い市営アパートがいくつかありました。どれも人が住んでいる様子はなく、そのうち取り壊されるのでしょうか。
撮影にはニコンF90Xsを使用しましたが、モータードライブ音がアパートに響き、失敗したなぁと思った次第です。シャッター音の静かなニコンFのようなマニュアル機のほうが、この手の撮影には向いていますね。
撮影データ: ニコンF90Xs AiAF Nikkor35mm f2D フジ・ネオパン100PRESTO