Nikon Photosecretary AC-PW-J for F90X/F90

Nikon F90X/F90用フォトセクレタリ- AC-PW-J起動画面  

2000年購入 2011年2月更新

●特徴

1992年発売のニコンF90は、本体に独自の10ピンターミナルを搭載、ここにはリモートレリーズなど各種アクセサリを取り付けることができ、マイナーチェンジ版のF90X以降も、同社の中級機種以上には必ず搭載されています。
この端子の画期的なところは、各種端末とシリアル接続することで、カメラ本体とのCPUともやりとり可能としているところです。
後にキヤノンもEOS-1VなどでPCとの連携を可能としましたが、それよりずっと前にニコンは可能としていたところがすごいですね。
これを生かし、カメラの内部メモリに撮影データを蓄えて端末とやり取りしたり、カメラ機能のカスタムセッティングも可能とした、当時のシャープのハイパー電子システム手帳との接続を可能したシステムカードとケーブルが発売されていました。
ただ、当時は電子手帳の普及率は高いものではなく、実際に使用していたユーザーは多くなかったはず。
その後、Windows95ブームにより家庭にパソコンが一気に普及し、汎用性の高いパソコンを使った接続キット、「Nikon F90/F90X用フォトセクレタリーAC-PW-J」が1997年6月14日に発売されました。
F90/F90X本体だけではできないカメラのカスタムセッティング、撮影でデータの記録と管理が可能となりました。

デジタル全盛の時代に、あえて懐かしいこのフォトセクレタリーをご紹介します。



Windows XP Professionalでの動作画面

●使用環境

このソフトと専用ケーブルMC-31(ソフトの付属品)は、2000年頃オークションにて落札。
97年発売のソフトゆえ、仕様では対応OSがWindows3.1、Windows95およびWindowsNT3.51以上となってりますが、Windows98以降のOSでもインストール可能です。
ニコンのHPでは、Windows2000やWindows XPでの動作確認も行っています。
古いソフトで、Win3.1/95用に開発されているため、ウインドウが一定の大きさまでしか大きくならないといった難点もありますが、現在でも使用可能なところがすごいですね。
ちなみに、F5用のフォトセクレタリーAC-1WJはWin9xでしか作動しなかったりします。
ソフトウェアは時代が時代だけに3.5インチフロッピーディスクでの提供のみです。既にドライブ自体が生産されなくなっているため、今後を考えCD-RとHDDにデータを保存しています。
万一、これから入手を検討されている奇特な方(失礼)がいらっしゃいましたら、要注意です。

また、当時USBなど存在しなかったため、RS-232Cシリアルポートに接続するのですが、最近はシリアルポートがないパソコンが多いので、USB変換ケーブルなどを使用しなければなりません。ただ、シリアル(RS-232C)-USB変換ケーブルでは正常に動作しない可能性もありますし、当方も試したことがないので何とも言えません。
幸い、今使っている自作PCのマザーボードには、まだRS-232C端子接続用のコネクタが残されているため、市販のRS-232C端子を購入し、ケースに取り付けています。

このソフトのおかげで、撮影データを見返すことができ勉強になります。もちろんこのソフトはとうの昔に販売完了、ヤフオクなどで手に入れるしかありませんが、元々そんなに出回っていたものではないため、なかなか見かけるものではないですね。
代替ソフトとしては、海外製ですが互換ソフトのSoftTALK2000というものが存在します。英語版でシェアウェアですが、こちらも検討の余地はありそうです。
ただし、接続ケーブル自体は入手しなければなりません。純正ケーブルは既に販売終了なので、海外の一部で売られている互換ケーブルを使うか、中には自作された方もいらっしゃるようです。検索すれば出てきますので、確認してみてください。

Windows7 64bit版ではさすがにそのままではインストーラが作動せず、インストール出来ません。が、XP Mode上では問題なく作動し、シリアルポートも認識しました。
また、Windows7 64bit版では、インストーラーが動かないだけで、既に他のOSでインストールしてある同ソフトのファイル自体をコピーすれば、64bit版でも動作可能です。ただし、ヘルプの呼び出しができないなど、一部動作に問題が生じます。状態表示やカメラへのセッティングなど、カメラ自体へのアクセスは正常通り行われるようです。
Windows Vistaは使っていないため動作は不明ですが、おそらくWindows7と同じ状況で、32bit版ではそのままインストール可能、64bit版はインストーラーが作動しないでしょう。




Windows7 Professional 64bitでの動作画面


写真のように、カメラの10ピンターミナルに専用ケーブルMC-31で接続します。
PC側はシリアルです。付属ケーブルは50ピン用なので、変換プラグが必要です。
最近のPCはRS-232C端子がないものが多いので、USBへ変換が必要です。
久々に引っ張り出してみたパッケージ。
時代が時代だけに、ソフトはWin3.1とWin95/NT3.51用別々のフロッピーディスクに収録。
さすがにフロッピー読み出しも今後は難しいので、ファイルはCD-RとHDDにコピーしています。

 

カメラの状態がリアルタイムでわかります。でもそれだけなんですが(笑)
AFやレリーズも可能です。
コマンドさえ分かれば、PC側で制御して撮影することも可能です。
 
カスタムセッティングも可能です。自分は左のようなセッティングにしています。
特にAモードでの簡易露出補正は便利で、お奨めの機能です。

データバック搭載時には、0コマデータ写しこみで1コマ目の前に、年月日などのデータを写し込むことが可能です。

測光偏差表示は、マルチパターン測光時に中央重点測光との差をファインダ液晶に表示可能です。ただし、Aモード簡易露出補正との併用では、表示部の制約上簡易露出補正の表示が優先されます。

背面液晶画面での設定が当たり前のデジタル一眼レフと違って、このようなソフトが無いと設定できないのが悲しいところです。

その他、プログラムオートのカスタムカーブが作れたり、パソコン側でAF作動やレリーズできたり(あんま意味はないけど)と、高機能です。特に撮影データは写真の勉強にもってこいです。
興味をもたれた方は、ぜひオークションなどで入手してみてはいかがでしょうか? と言っても最近は出品されることも殆ど無いですが。


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