スバル レガシィ&B4試乗記

2003年6月作成


 新型レガシィはNAエンジンがいいらしい…。そんな巷の評判を確かめるため、同じNAのアコード乗りとしては是非確かめなくては! ってなわけで、まだ発表されて間もない4代目レガシィの試乗をしてきました。

 ディーラーへ行くと、ショールームには3台のレガシィが… 気合入ってますねぇ。インプやフォレスターなどがなく、レガシィ一色でした。お客さんも次々と来ます。ジミー大西似(笑)のセールスマンを捕まえ、早速試乗を申し込みました。


レガシィ2.0R

 まずはお目当ての2L、NAのDOHC搭載モデルのワゴン。乗り込んでまずドアに違和感。どうも半ドアが解りづらい。結構勢いよく閉めないときちんと閉まらない様子。

エクステリアは?
 デザインですが、涙目のヘッドライトは何か最近の流行をパクッた感じでよろしくない。フルモデルチェンジとはいえ、またしてもキーコンセプト。旧型をちょっと今風にアレンジしたって感じ。そろそろデザインに新提案があってもいいと思うんですが…。売れてるモデルだけに、慎重なんでしょう。インプレッサの失敗もあるし。まあ格好悪いわけではないんでいいんですが。

エンジンは?
 あいにくの渋滞で、あまりスピードは出せなさそう。NAの方はターボと違い4ATです。新型車なんだから、できれば5ATが欲しいところですが、さすがに新しいだけあって変速ショックは皆無、ゲート式のシフトをDレンジに入れるだけで快適に走ってくれます。その感触は我がCFアコードに似ていて、非常に気持ちよく回るエンジンでした。しかも静か。従来BOXERエンジン=ドロドロした音と言うイメージですが、そういう音はなくとにかく静か。でも踏み込めばスポーティな音がします。そして何よりいいのがトルクがきちんと出ていること。あとで見たカタログによれば、実用回転域から高回転域まで、ほぼフラットに最大トルクが出るみたいです。コレには驚いた。とにかく乗りやすいし、パワーも十分ある。CFアコードだと、低回転域のトルクが細いので、渋滞にはまったときなんかとても乗りづらいんですが、レガシィはとてもスムーズ。今回一番力を入れたのがこのNAエンジンらしく、これは買いだと思う。とても気に入った。次買う車の第1候補決定!? (追記:結局CL7ユーロR買いましたが…)

インテリアは?
 内装は、あまり良くないという前評判でしたが、実際はそんな悪くはないです。少なくとも安っぽさむき出しのアテンザより全然マシです。でもちょっと暗めの内装、解りやすいスポーティな演出だけど、明るい色の内装があってもいいと思う。シフトやハンドルの感触はかなりいい。ハンドリングはいいが安っぽい感触のアテンザより○。旧型よりボテッとして全くスポーティじゃなくなったアコードのシフトよりも断然いい。

 メーターは、このグレードは普通の印刷したものだが、できれば自発光メーターが欲しいところ。力を入れたモデルと言うだけに残念。この辺は、そのうち特別仕様車とかで装備されるといいんだけど。(追記:後日装備されました)

 オーディオは、このグレードではCD・MD対応です。別に高級オーディオのマッキントッシュも選択できるそうです。今時の車は専用オーディオしかつけられないのも多いので、せめてオプションでこういうきちんとしたヘッドを用意して欲しい。ホンダやマツダも見習って欲しい。うちのアコードのBOSEなんかかなりへっぽこだし。

 荷物室は、ワゴンとはいえ、荷室の床が高いため、そんなに大きくはない。AWD (4WDの新しい呼び方)なので、リアデフがある分、FFのアコードよりは不利になる。

乗り心地は?
 乗り心地ですが、特に特別なダンパーが入ってるとかではないですが、やや固め。ちょっと前のトヨタ車に慣れた人なんかは、この車のサスは固いと思うでしょう。純正にしては少し固めかも。大きめの段差だと少し気になりますが、自分は固めが好きなのでこのぐらいがちょうどいいです。揺れの収束がもう少し早いといいですね。

 ブレーキは自然な感触で違和感なし。マツダ車のようにいきなりググッと効いて、微調整しづらいと言うことはありません。



B4 GT spec.B

 それまでのメインストリーム、ターボモデルにも乗ってみました。実を言うと、ターボ車は初めてなんです。ドッキドキですな(゚∀゚) 用意されたのが、ターボモデルのGTに、ビルシュタインダンパー、専用エアロ、18インチホイールを奢ったspec.Bと言うマニア向けなモデル。こちらは5ATでした。

エクステリアは?
 ワゴン以上に、セダンのB4はキーコンセプトですな。横から見る限り、先代とどこが違うの? と言う感じです。ほとんどマイナーチェンジと言っていいかも。悪くはないけど、あまり新しさは感じないです。

エンジンは?
 初めてのターボに乗ったけど、渋滞気味の道をゆっくり走る限り、ターボの恩恵はありません。それどころか、先に乗ったNAの2.0Rよりも若干低速トルクが細い印象。信号待ちで先頭に。青になってそこから一気にアクセルを踏み込むと、2000rpmまで2.0Rよりかったるい。ところが2000rpmを過ぎたあたりからターボが効いたのか、みるみる急加速。思わず「おおっ!」と声を出してしまった。こういうのをどっかんターボって言うんだろうか? あとでスバリストの方から聞いた話では、このレガシーのターボはぜんぜんドッカンじゃないよって話ですが。カタログを見ると、わずか2400rpmで最大トルクが出る恐るべきエンジン、しかも2400rpmより上は緩やかにトルクが減少していき、逆に2400rpm以下では急激にトルクが落ちています。そんなわけで、実用回転数の3000rpmまで使うとなると、出だしはかったるく、2000rpmから突然加速するために、街乗りではかなり厳しい感じです。峠では面白そうだけど、普段はこんなパワー必要ないですね。一応、ECOモードなる物があって、ターボの効きを制御できるようです。試せなかったけど、街乗りではECOモードのほうがいいかも。フラットトルクの2.0Rがいかに乗りやすいか、身をもって体験した次第。
 ATは5速でしたが、残念ながらマニュアルモードは試せませんでした。もっともDレンジで十分恐ろしい加速するけど。燃費も旧型よりは良くなっているみたいですが、それでも実燃費リッター8kmがせいぜいみたいです。

インテリアは?
 内装は同じなれど、GT系のグレードではメーターが自発光式になります。アコードやアテンザもそうだけど、この自発光式メーター、とても見やすくていいです。是非下のグレードにも採用して欲しい。ATだとハンドルにもシフトセレクターがついて、Dレンジでも一時的にマニュアルモードに入れる。便利だね。

 このグレードもCD・MD対応。また、どのグレードも専用アダプタで純正ヘッドの位置に社外オーディオも取り付け可能で、上段には専用ナビや2DIN社外オーディオも入るし、最近の車にしてはオーディオに自由度があると思います。さすが、こだわって乗る人が多いだけあります。

乗り心地は?
 セダンとワゴンの違いがあるのは別として、先に乗った2.0Rよりもさらに固い足回り。専用チューンのビルシュタインダンパーが入ってるので、かなりスポーティな足回りだけど、固い。でも嫌いではない。これも2.0Rと同様、若干揺れの収束が遅い気がしたけど、うちのアコードに付いてる無限サスが揺れの収束が早いからそう感じるだけであって、純正としてはかなり次元が高い。車買ってから社外サスに換えるより、最初から付いてるほうがいいよね。(追記:ただ、やっぱり固すぎると言うことで、マイチェンでずいぶん改良されたそうです。)


満足!

 特に評価できるのが、新型は旧型よりも重量が減っている点。最近の車ってモデルチェンジのたびに重くなっている(衝突安全性を確保しようとするため)中、安全性を高めつつ、アルミや高張力鋼を随所に使用して軽量化を図るなど、他メーカーも見習って欲しいところ。
 とにかく乗ってみれば良さが解ると思います。見た目はいいけど内装や触った質感がいただけないアテンザ、車としての完成度は高いけどちょっと面白味に欠けるアコード24TLと比べても、なかなかいいと思います。
 強いて難点をあげると、今回ウリのDOHCのNA搭載グレードが、GT系より若干装備が劣る点。こういう差別はなくして欲しい。横滑り防止装置なんかは、GT系オプションだけなのも×。欧州車は最近多くの車が標準装備している。この装置があるからスポーティな走行ができなくなるってのは間違いで、公道を走る限り、この装置がハンディになることは全くない。いやならスイッチで切れるようにしればいいし。電子装置で日本車が負けてどうする? GT系は標準装備、2.0Rもせめてオプションで装着できるようにすべき。これは他社も同様。

 まあ、不満はそれぐらいで、基本的な走りがいいので、万が一乗り換えるとしたら個人的にはレガシィですね。(といいつつ後日ユーロRを買うことに…)


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