マツダ アテンザ&ホンダ アコード(CL)試乗記

2002年12月作成


 かねてから思案していた、マツダアテンザに試乗してきました。近所ではアテンザを置いているマツダディーラーがなく(そもそもマツダディーラーをほとんど見かけない)、自宅から1時間近くかかる甲府の隣町のディーラーへ行ってきました。他の用事のついでだったんですが。


マツダアテンザ20F5ドア

 ディーラーに車をつけると、すぐに若い女性のセールスマンが来ました。女性のセールスっていいですね♪ 態度もいいし、好感触です。展示車はイエローマイカで、写真で見るよりずっと明るい色です。とても美しい塗装でこちらもまたなかなか好感触。セールス曰く「最初はこの色は売れるかどうか心配だったんですけど、予想外に売れてます」とのこと。そういえば、RX-7とかマツダ車はイエローが似合う気がする。

 さて、簡単なアンケートを書き込んで早速試乗です。残念ながら、目当ての23Sではなく、一番安い20Fと言うグレードでした。23Sはちょうど他のディーラーに貸し出し中だそうで。しかし、今乗ってるCFアコードと同じ2000ccなので、両者の比較にはもってこいですね。

 乗り込んでみて、まずシートがいいと感じた。CFアコードのシートはスポーティなセミバケの割には、クッションが変に柔らかくて疲れるシートですが、アテンザのシートはしっかりしてます。20Fには残念ながら、ATをマニュアルモードで動かす機構はついてません。また23モデルのエンジンは可変バルタイを装備してますが、20Fは素のエンジンです。メーターは少しこじんまりとはしていますが、まあまあ見やすいです。ちなみに上級モデルはブラックアウトメーターが付いてるそうです。そっちの方が認識性は良さそう。

 いざ出発! セールスのおねいさんが助手席です♪ それではインプレを開始します!

 まず、アクセルが自然と言うか、我がCFアコードのように慣れない人がアクセルを踏むと急激に加速すると言う事がありません。試乗した道が狭い道のため、あまり試せませんでしたが、アクセルを踏み込むとなかなかいいエンジン音がします。ただ、加速はもっさりしてて、絶対的には速くなさそうです。でもエンジンの演出はスポーティでよろしい。ホンダのエンジンのように、回せばかなり元気がいいですね。誰にでも乗り易いと思いました。しかし、やはりCFアコードに比べると物足りない感じです。両者のスペックを比べると…

CF4 アコードSiR(愛車)…エンジンF20B型 180ps/7000rpm・19.6kg・m/5500rpm(ハイオク仕様) 重量1320kg
20F アテンザ5ドア…エンジンLF-DE型 150ps/6000rpm・18.6kg・m/4500rpm(レギュラー仕様) 重量1360kg

 新しい車ほど安全装備のため重い傾向にあるのと、20Fはレギュラーガス仕様のため、どうしてもCFアコードよりは分が悪い感じですね。ちなみに新型アコードの2Lエンジン(レギュラー仕様)はこのアテンザとほぼ同スペックです。はっきり言って、加速に関してはいたって平凡。MTもしくはマニュアルモードつきATだと楽しめそうなエンジンです。
 このエンジン、後でボンネットを開けて見せてもらったけど、エキマニ(タコアシ)が後方に付いている、いわゆる後方排気ってタイプで、排気効率がよく、現行インテRなどスポーティな車は最近後方排気を採用してますね。

 内装ですが、感心できる物ではありません。カタログの写真では見栄えが良さそうですが、実物は…安っぽいです。まずハンドル。表面がプラスチッキーです。これは下位モデルだからかもしれませんが。そしてもっともいただけないのがセンターパネルです。一見シルバーでカタログではメタリックな感じですが、実物はプラスチックに銀塗装しただけ。なんともチープで、傷に弱そうです。5年も乗れば傷だらけで無残な姿になりそうです。内装は全体的にもう少しがんばって欲しいです。ただ、ウインカーのクリック感はいい。

 ハンドリングはなかなかいい。アコードはCFもCLも電動パワステで、何か不自然な感じがあるが、アテンザは一般的な油圧パワステ。将来的にはみな電動化するんだろうけど、やっぱり油圧のほうがフィーリングがいいです。

 残念なのが、アテンザは社外オーディオを一切受けつかないと言う事。新型アコードのようにオプションで社外オーディオをつけられるパネルも用意していないようです。セールスのおねいさん曰く「買った後からでもマツダのナビとかは付けられますよ」とのこと。純正オーディオの音だが、FMを聴いた限りではまあまあの音質だった。しかし、音にこだわりたい人には、社外オーディオがつかないと言うのはマイナスポイントだと思うけど。オプションでBOSEサウンドシステムがあるが、我がCDアコードの純正BOSEもあまりいい音ではないし…

 あと、これはマツダ車全般がそうらしいのだが、ブレーキの効きがいいというか、遊びがないというか、ちょっと踏むだけでカックンと強い制動がかかってしまう。セールスのおねいさんを何度も揺さぶらせてしまった。スマソ。この辺は慣れの問題だろうね。

 サスペンションもなかなかいいが、そんなに速度を出せなかったので、高速域でどうなのかはわからない。

 走り終わっての感想は、なかなかいいんじゃないかな。内装がもう少し良くなればおススメモデルです。セールスも親切で非常に気持ちがよかったです。今度は23Sにも乗りに来て下さいとのことで、機会があれば本命23Sを試してみたいです。20Fは、はっきり言って自分なら買わない。やっぱ23Sだね。

 カタログを貰って来たが、メーカーオプションのパーツが豊富、若々しいデザインとあいまって、もし買ったらあれこれつけて見たいと思わせる。売り方がうまい。


アコード24TL

 アテンザに乗ったからには、アコードも試乗しなくては。何度かディーラーで実物は見てるけど、何せ買う気がないので試乗はしてなかったんだけど。いつも行っているディーラーでは、最近車検をとったばかりで買う気ないのが見え見えでいやだったので、他のホンダクリオへ。

 ここからはあまり気が進みませんが、ディーラー実名を出させていただきます。改善して欲しいんでね。

 まず最初に行ったのが、「ホンダクリオ山梨甲府」 あなた方、売る気あるんですか? アコードを色々見てたら、おじさんセールスが現れ「いいでしょ、色々見てってよ」そういい残して他の客の方へ行ってしまった。(゚Д゚)ハァ? 冷やかしと見抜いたか… いやいや、冷やかしだって立派な客だ。なんだあのでかい態度は! 気の短い自分はその時点でかなり機嫌を悪くした。そして5分経っても他のセールスも現れず。お客に干渉しないスタイルなのか知らないが、まるでやる気を感じなかった。最悪ですね。二度と行きたくないディーラーです。

 次! 「ホンダクリオ山梨竜王」 ここも私の事、一切無視です。客に声をかけられなければ向こうから声をかけないようにしてるのでしょうか。とはいえ、暇そうなディーラーマンも多数いましたし。半分あきれ返ってしまって、そのまま出てきました。トヨタに次ぐ車メーカーなったホンダは、もはやトヨタ(一部だけだとは思うけど)のように客を見下す商売をするようになったのか? これでは車がどんなに良くても新型アコードもアテンザには勝てないんじゃないの?

 結局いつも行ってる「ホンダクリオ山梨韮崎」へ行きました。ちょっと聞きたい事があったので、そのついでです。何度も行ってるディーラーなんで安心。アルミを手に入れたんで、交換にいくらかかるかを聞いた後、話を切り出した。「ところで、新型アコードに試乗してみたいんですが…」

 5分後、CLアコードが用意された。特にアンケートの書き込みもなし。しかもディーラーの人は乗らないらしい。これって、そのまま乗り逃げできちゃうんじゃないの?と思ったけど、よく考えたら自分は何度もこのディーラーに来てるんで、いわゆる「顔パス」っぽいです。「何分くらい貸してくれるんですか」と聞くと「お好きなようにお乗りください」とのこと。これは気がねなく試せそうです(笑)

 試乗モデルは2.4Lエンジンの、アコードのメインともいえるグレード。ナビつきで、現在位置がリアルタイムに表示されて面白い。でも、画面はあまりきれいじゃないなぁ。

 ドア音も重厚。CFアコードと比較して、さらに剛性が増したようだ。座ってみて、このシートもアテンザに負けないいいものと感じた。しかも電動パワーシート。パワーシートなんて、いかにもトヨタっぽい装備だが、実際使ってみるとなかなかいい。微妙な調整とか、荷重をかけたままできるのはありがたい。ハンドルの質感もよい。というか、全体の質感はまるでトヨタみたいにすばらしい。どこにも安っぽさは感じなかった。ただ、トヨタのように質感が統一しているかと言うとまた別な話だが。

 走り出す。静かだ! 聞くところによると、初代セルシオ並に静からしい。新型はATがついに5速になった。CFも5速だったらと歯がゆい思いをしたからなぁ。5速化されたことで、エンジン回転もさほど上がらずにシフトアップしていく。5速のおかげで、60km/h巡航で1500rpm。巡航速度ではトルクが太いのとあいまってエンジンを回さなくていい。ただ、エンジンの存在感はCFに比べて希薄。あくまでCFと比較してだが…。そしてなにより、ボディ剛性が極めて高い事が走っていて良くわかる。がっしりしていて、いささかのヨレも感じない。サスペンションもすばらしい。かなり次元が高い。下手な社外サスを入れるよりノーマルのサスのままがいいと思う。CFアコードにあったちょっとコツコツした突き上げ感も全く感じない。それでいてふわふわしてしていない。感動モノです。

 ATのシフターはマニュアルモード付き。CFのSiR系ではゲート式だったが、CLでは一般的なTバーシフトに戻った。Dレンジから横に倒すとマニュアルになるが、質感は悪くないものの、CFアコードの方がカチッとシフトが入っていい。まあCLの場合、Dレンジのままでも全く問題ない感じ。

 甲州街道から広い田舎道へ。マニュアルモードにしてアクセルを踏み込む。加速はもちろんいいが、CFほどドラマチックな感じはない。2.4Lのせいもあるが、余り回さないでもぐんぐん加速する。レブリミットまで回したが、CFよりずっと静かでスムーズ。ぬふわkm/hでのコーナー(ぉぃ)もわずかなロールのままきれいに回っていく。ただ、エンジンを回す楽しさは、我がCFアコードの方が上と感じた。

 ハンドリングですが、電動パワステはCFでは不自然な感じがあったが、新型のCLではけっこうフィーリングが改善されている。が、やはり電動パワステであることを感じさせる、ふわふわした感じがわずかに残っているのが残念。素のハンドリングはCFもCLもいいので、もう少し電動パワステを改善して欲しい。このあたりは、従来の油圧タイプのアテンザのほうが自然な感じ。

 ともかく次元が高く、完成度が高い車であることがわかった。しかし、なんだか少し自分には遠い存在になったことも確か。CFアコードとどちらが好きかと聞かれるとかなり迷うけど、今はともかくエンジンを回すのが楽しいく、エンジンの存在を感じさせるCFの方が好きだですね。新型はもう少し大人になってから乗る車かな。逆に、新型ユーロRが気になってくる。試乗する機会はないだろうが、今の自分にはユーロRの方が楽しいかも。(追記:この1年後、ユーロRを購入しちゃいました♪)


そんなわけで…

 なかなか試乗って面白い。アテンザのエンジンはパワーはないが演出がいいのが気に入ったし(エンジン他、デザインなど)、アコードはともかく車として高次元に完成されているのがわかった。こうなると、レガシィやアルテッツァも試したくなってきたよ…。
 とはいえ、やっぱり自分の車がいいね。手を入れてあるし運転してて楽しいもん♪


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