AiAF Nikkor 35mm f2D

AiAF Nikkor 35mm f2D 

特徴

1995年に従来の光学系のまま、Dタイプ化されて発売。AFでは唯一の35mmレンズ。(MFではf1.4もあった) レンズ構成はオーソドックスな5群6枚のレトロフォーカスタイプ。
銀塩時代からやや広角目の標準レンズとして、スナップなどに幅広く使えるレンズですが、デジタル時代になってから、改めてそのよさが見直されてきているようです。APS-Cサイズのデジタル一眼レフでは、フィルム換算で52mmレンズとなり、まさにフィルムのMF一眼レフの標準レンズたる50mmに近い。
ニコンの標準単焦点は、軽量コンパクトで、常に持ち歩ける非常に便利なレンズ。ニコンに限らず他メーカーでも35mm f2クラスは常用レンズとしてフィルムでもデジタルでもお勧め。


使用感

このレンズはF90X購入から半年後くらいに中古美品を買い増し。当時はSIGMAの標準ズーム28-70mm f2.8-4を使っていたが、使うほどにもっと明るいレンズが欲しい、そしてよく使う画角が35mm付近であることに気付き導入。以来、多くの写真はこのAF Nikkor 35mmで撮影しています。このレンズの購入で、ズームレンズは結婚式などレンズ交換がわずらわしい場面を除いてほとんど使わなくなってしまった。最近は結婚式でも使いますね。やっぱりレンズは明るさ命。

外装はエンジニアリングプラスチックで、ちょうどF90Xの外装と同じような質感です。それゆえ使い込んでくるとテカってしまうのはご愛嬌。でもズームレンズより軽量な210gを実現しているのはすばらしいです。これだけで常時持ち運びする気になります。

フォーカスリングはMF時はスカスカぎみですが、操作はしやすいです。最短撮影距離は25cmで、結構近づけます。クローズアップレンズと組み合わせれば、簡易マクロ的な撮り方も可能です。2000年前後からコーティングが新しくなっています。私のはそれ以前に買ったので古いコーティングですが、実質ほとんど変わらないはずです。新しいコーティングはデジタル対応になっているかもしれませんね。

画質はとにかく安定して、ニッコールらしく解像度が高いです。絞り開放からさほど画質の低下もなく安心して使えます。周辺光量低下も絞り開放で出る程度です。反面個性的な描写とかを狙うレンズではないと思います。なので自分も、このレンズは最初のうちはあまり面白みのある写真が撮れませんでした。普通に撮ると普通に写ってしまう、あたりまえだけど(笑) その代わり工夫すればそれに答えてくれるレンズでもあります。写真上達にはもってこいです。


作例

少し古いですが、学生時代に北海道のオコタンペ湖(支笏湖の隣)で撮影したものです。フジクロームベルビア(50)の発色とあいまって、色がものすごいことになっています。

ニコンF90Xs Aモードf2.8 フジクローム・ベルビア

ISO50のベルビア(実効感度ISO40)なので、夕方三脚なしの状況下、絞りは1段だけ絞っての撮影です。ご覧の通り、f2.8でありながらほとんど周辺光量低下は見られず、シャープネスも抜群です。自分で言うのもなんですが、厳しい条件下でもここまで撮れる、本当にすばらしいレンズだと思います。銀塩・デジタル問わず使って欲しいですね。最近店頭は品薄気味だそうです。ズーム時代でも、このレンズのよさが見直されてきてるんですね。
ここのページには、この35mmで撮影した写真が多く掲載されていますので、よろしければご覧ください。

個人的にはMFでしか出ていないf1.4をAF-S化して欲しいですね。ただし絞りリングのないGタイプはダメ! 出るのであれば多少高くても必ず買いますよ! f1.4のほうは、開放では甘い描写になるとのこと。シャープなf2とあわせて使いたいですね。あ、コシナからツァイスのニコンFマウントの35mmも出てるんですよね。これもMFですが良さそう…。35mmは悩めるレンズです。



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