Nikon D300
2008年1月作成 2011年7月加筆修正
●発売日翌日購入 |
長らくフィルムでがんばってきましたが、ここに来てデジタル一眼レフの性能もずいぶん向上し、フィルムに対しての利点も増えてきたため、導入してみました。 D200登場時点でも惹かれるものがありましたが、高感度時のノイズの多さと解像感が失われる点や、DXフォーマットのファインダの小ささなど気になる点があり、結局購入には至りませんでした。 D300になってこれらがずいぶん改善されていることから、ここいらで導入しておこうという結論に達しまして、発売日翌日たまたま在庫があったことからついつい買ってしまいました。 全体の質感や機能、性能は申し分なく、これからのメイン機として活躍しそうです。特に高感度においてはデジタルで気軽に使えることを考えると、フィルムを超えたなと思わせる部分です。 ISO3200を常用できる(と自分は考えてます)ことで、今まで撮れなかった世界が広がりそうですね。 購入時のブログはこちら。。 |
これまでのメインカメラF90Xsと比較してみました。フィルムとデジタルの違いは別として、カメラとしての性能や機能は、さすがに13年新しいD300のほうが機能は向上しています。とはいえ、スペックには現れない部分もあるため、それは後々…
D300 | F90Xs | |
発売年 | 2007年 | 1994年 |
ファインダ | 視野率約100% 倍率0.94倍 | 視野率92%(アサヒカメラ誌実測94%) 倍率0.78倍 |
AF測距点 | 51点(中央11点クロスセンサ) | 中央ワイド1点(クロスセンサ) |
連写速度 | 約6コマ/秒 (MB-D10使用時:最速約8コマ/秒) | 約4.3コマ/秒 (動体予測AF時:約4.1コマ/秒) |
測光 | 3D-RGB1005分割 | 3D-8分割 |
ミラーアップ撮影 | 可 | 不可 |
シャッター速度 | 1/8000〜30秒(X:1/250) | 1/8000〜30秒(X:1/250) |
アイピースシャッター | 非内臓(アイピースカバー) | 内臓 |
視度調整 | −2〜+1 m-1 | 非対応 |
対応レンズ | Gタイプ:対応 Dタイプ:対応 AF-S/AF-I:対応 VRレンズ:対応 Aiレンズ:対応(開放f値登録でマルチパターン測光可) Auto Nikkor:非対応(Ai改造にて対応) |
Gタイプ:P/Sモード時のみフル対応 Dタイプ:対応 AF-S/AF-I:対応 VRレンズ:非対応(VR以外は対応) Aiレンズ:対応(中央部重点測光可) Auto Nikkor:非対応(Ai改造にて対応) |
コマンドダイヤル | 2ダイヤル | 1ダイヤル(背面のみ) |
インターバル撮影 | 対応 | データバックMF-26にて対応 |
オートブラケティング | 対応 | データバックMF-26にて対応 |
多重露出 | 対応 | データバックMF-26にて対応 |
スピードライト (フラッシュ) |
内蔵(i-TTL BL調光対応) オートFP発光対応 外部SBにてi-TTL BL調光に対応 |
非内蔵 一部外部SBにてマニュアルFP発光対応 外部SBにて3DマルチBL調光に対応 |
防塵・防水対策 | 対応 | 非対応 (ただし厳しい条件下でもこれまでトラブルはない) |
スペックに現れない部分の比較をしてみました。ここからは個人の感想です。
D300 | F90Xs | |
ボディの質感 | 悪くはないが、塗装が厚いのか金属ボディの割にはプラスチッキーに感じる。 | プラボディのため、経年でテカリが出てきている。MF-26のゴムが加水分解でボロボロに。 |
ファインダの見え方 | 透過液晶が入っているため、F90Xと比較してピントの山がつかみづらく、若干鮮明さに欠ける。 DXフォーマットとしては良好だが、フィルムと比較してファインダが小さい。 また、ファインダ下の表示は情報量が多い反面、逆光など強い光が入る条件ではF90Xより見づらい。 |
最良といわれるF4ほどではないが、そこそこ明るく見やすい。視野率が低いのが欠点。 ファインダ下の表示は露出インジケーターが小さいのが弱点。強い光が入る条件でも表示自体は見やすい。 |
シャッター音 | 良好。14bit RAW時のみ、なぜか間延びした音になる。 | 小気味よくかなり好き。いかにも撮ってるという音。 |
ファインダ像消失時間 | 中級機としては短く良好。 | F100よりは若干遅い。 |
測光精度 | 普段はマルチパターンで問題なし。+露出より-露出のほうが出番が多い(デジタルだから露出オーバーに弱いため) 極端な明暗、逆光ではスポット測光を使ったほうが良い。 |
普段はマルチパターンに±0.7以内の補正でほぼ問題なし。デジタルよりフィルムのほうがラチチュードが広いためか、リバーサルでもスポット測光はめったに使わない。 |
スピードライト (フラッシュ) |
内蔵スピードライトは非常に精度が高く、ちょっとした撮影に便利。 | 調光精度自体は非常に良いが、外部スピードライトのみなので少し不便。 |
AF | 十字キーで51点あっても以外と使いやすい。 クロスではない周辺センサも精度良好。 3Dトラッキングは動き物の撮影で時々迷うが、シャッターチャンスが増える予感。 |
ある意味1点しかないために簡単で使いやすい。 動き物はフォーカスエリアの狭さが弱点に。 |
バッテリの持ち | デジタル一眼レフであることを考えると良好。 バッテリ単体でON/OFFを繰り返しながらでも数百枚は撮影可能。MB-D10をつけてバッテリ2個体制では、ほとんどの撮影で困らないのでは。 |
フィルム一眼レフであることを考えると、公称値の半分も持たない印象で意外と電池食い。Ni-MH使用時はバッテリ残量表示が突然出たりする。撮影枚数で行くと、D300より持たないかも。 |
●D300の気になる機能 |
1.アクティブDライティング デジタルカメラの欠点であるラチチュードの狭さから来る白とび、黒つぶれを極力抑えつつ、見た目に近い仕上がりにするモード。なし・弱・標準・強から選択可能。 この機能をONにすることにより、コントラストの調整は自動となる。ただ、時々変なコントラストになることもあったが、最近は使いこなせてきたのか安定したコントラストが得られるように。 明暗差の激しい被写体ではその機能を遺憾なく発揮してよい感じ。 仕組みとしては、OFFの場合と比較して、シャッタースピードを速くして白飛びを抑えつつ、暗部を持ち上げることで、明暗差を縮めている。このため、暗部に高感度ノイズが発生することがある。 ONにしないとRAWでも調整できないので、現状常時中で撮影。D700やD90以降の機種ではより強く、あるいは自動も選べるのがうらやましい。 2.ピクチャーコントロール 従来の仕上がり設定から変更。D300のスタンダード設定はやや彩度が高めでCOOLPIX5400よりも派手目の色調のため、スタンダードから彩度を-1に設定。ニュートラルがそういう意味ではあっさり目でレタッチ向きだが、ややコントラストが弱い。ビビッドは濃すぎでD2X MODEVのほうがバランスが良いかも。不慣れなのでとりあえずスタンダードで撮影し、あとからRAWをレタッチするのがベスト。JPG撮りでは基本スタンダードで。 3.51点フォーカス+3Dトラッキング 激しい動きの被写体では、時々見失うことがあるものの、なかなか面白い機能。今後の熟成を望みたい。 4.イメージセンサークリーニング ニコン初のセンサークリーニングはON/OFF時それぞれクリーニングするか選択可能。現状ON時のみクリーニングするに設定。この恩恵かどうかはわからないけど、現時点で埃が写りこんだことはない。レンズ交換時もF90Xのときと同様に行い、特に気を使って使ってはいないが、今のところ問題ない。 5.倍率色収差補正 一部のレンズでは、色の屈折率の違いから像を結んだ際に色ずれが発生する倍率色収差により、エッジに色のにじみが発生する。 D300が出た当初、デジカメWatchに倍率色収差補正のないキヤノンEOS 40Dとの比較を行っていたが、使用したレンズはあまり倍率色収差がなかったようで、いまいち効果が分からなかった。 D300使用から1年が経過し、レンズによっては非常に効果が大きいことが判明。CaptureNX2では、RAWで撮影した画像の倍率色収差補正のON/OFFが可能(デフォルトはON)なので、比較画像を2例掲載してみました。 いずれも元データの画像周辺を等倍切り出ししたものです。 |
AF Nikkor 300mm F2.8S + Kenko PRO300 x2 | Tokina AT-X 124 PRO DX |
●アクセサリ (ブログのリンクに飛びます) |
●MB-D10 縦位置撮影、高速連写、大量撮影には欠かせないのが、マルチパワーバッテリーパックMB-D10。D300ではこれを装着し、単三電池8本またはEN-EL4eを組み合わせることで、最速毎秒8コマ連写が可能になります。 前後のコマンドダイヤルや十字キー、AF-ONボタンも搭載。カメラもいかつく重くなりますw ●SB-900 ニコン純正スピードライトの最高峰。 スピードライトだけはけちらず最上位で。ニコンクリエイティブライティング対応のD300と組み合わせることで、ワイヤレス発光、ワイヤレス増灯、オートFPハイスピードシンクロなど、多彩なライティング表現が可能。 素人が使いこなすのはなかなか大変だけど、ストロボワークの幅が広がります ●SG-3IR カタログでは単体発売されていないかのごとく扱いの小さい地味なアクセサリ。 本体内蔵フラッシュのコマンダーにワイヤレスでスピードライトを発光させる際、本体の発光を--に設定してもわずかに発光するため、被写体に光が入ってしまいますが、赤外光のみ通すパネルを搭載することで、被写体へ光をあてるのを防ぐための遮光板。 |