ZENZA BRONICA S2

BRONICA S2 + Nikkor-P 75mm f2.8 

2008年10月作成

インプレッション

ADUMI氏がかつて学生時代、マチャミ氏の故祖父から引き継いだブロニカ.。年月を渡って私の手元にやってきました。それが2007年の話。
中判ゆえ撮影頻度は多くないものの、着実に手に馴染みつつある今、やっと重い腰を上げて記事を書くわけで。

デジタル全盛期だからこそ、フィルムの中判カメラが生きてきます。1枚1枚がとにかく重い。120フィルムではこのスクエア6x6判は12枚しか撮影できません。
なのでとにかく無意識に気合が入ります。デジタルでは忘れがちな、シャッターの重みを、このカメラでは感じさせてくれます。それは35mmフィルムよりももっと重い。
だからと言ってへたっぴな私にはそれなりのものしか撮れないけど、135判よりずっと制約が多い分、いかにも撮っているぞという気分が味わえるカメラでもあります。
タムロンにてそれなりにいいお値段でオーバーホール+修理も実施し、今後もまったり付き合っていこうと思ってるカメラです。
今デジタルでも静かなブームである、スクエアフォーマットの専用機であるのも面白いところで、スクエアでしか撮れない世界はありますね。

このS2は、ストラップの留め金形状から前期型と思われます。
シャッター音はバシャ!っと大きめ。振動も少し感じますが、ミラーアップ機構はありません。今のところ、150mmまでのレンズであればそれほどシビアに振動は気にしなくても大丈夫そうです。
三脚とケーブルレリーズがあれば問題ないでしょう。

プリズムファインダのないウエストレベルのため、左右逆像に見えるため、フレーミングには慣れが必要です。
またスクエアフォーマット、すなわち正方形であることも、一般的な5:3や4:3フォーマット慣れしていると違和感を感じます。と同時に新鮮さも感じ、今デジタルカメラでも見直されてきています。

巻き上げレバーの動きが少し渋いとか(一応メーカーにてグリスアップ済み)、ミラーショックがあるとか、高級な中判カメラよりは劣る部分もあるかもしれません。
しかし今でも修理・オーバーホールが可能で、道具としての使い勝手の良さ、メカの信頼性や耐久性は高級機にも劣らないです。
中古市場でも割と安く手に入り、実用機として非常に優れたカメラであるといえるでしょう。

作例。Nikkor-P 75mm f2.8 (f5.6 Bulb 180s) フジ・ネオパン400PRESTO
こういったバルブ撮影は、機械式カメラの得意とするところ。
作例2。Zenzanon 150mm f3.5 (f11 Bulb 60s) フジ・ネオパン400PRESTO
函館裏夜景のバルブ撮影。
作例3。Nikkor-P 75mm f2.8 (f2.8 1/1000) フジ REALA ACE
絞り開放だが、ボケはやや固めですね。
作例4。Nikkor-P 75mm f2.8 (f8 1s) フジクローム PROVIA100F
湯西川から。ややオーバー露出でした。
露出計のないマニュアルカメラなので、リバーサルでの撮影は難しいです。

以上、ブログに掲載したものをそのまま流用しました。手抜きってやつです


ブロニカのレンズ

現状、カメラを引き継いだときに付いてきた標準レンズの75mm、および中望遠の150mmの2本のみ。
目下、広角50mmを物色中です。

Nikkor-P 75mm f2.8は、ブロニカS2の標準レンズで、135判換算約42mm。
この当時のブロニカは、自社ブランドたるゼンザノンのレンズ以外にも、ニコンからもレンズを出していました。
おかげで、中判カメラでもニッコールの描写を味わえるというわけです。
その描写はきわめてニッコールらしい、中心解像度が高く、やや固めなボケです。
やや二線ボケの傾向があり、ボケを積極的に生かした撮影にはあまり向かないです。
やや絞ってカッチリ撮るのに適したレンズといえます。
Now Printing
Zenzanon 150mm f3.5は、ゼンザノンブランドのレンズで、知る人ぞ知るノリタ光学製、つまりOEM。
実のところ、あまり出番がないので、まだ画質を語れるほど使い込んでいません。
Now Printing


ZENZA BRONICA S2のスペック

発売年 1965年
ファインダ フレネルレンズ付ピントグラス式
ミラーアップ撮影 不可
シャッター速度 1/1000〜1秒(X:1/40) B・T
対応レンズ ブロニカ大型バヨネット対応レンズ
繰り出しヘリコイドユニット取外し可
多重露出 不可
使用フィルム 120・220判ロールフィルム(切替式)
防塵・防水対策 非対応
(ただし厳しい条件下でもこれまでトラブルはない)



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